「日本書道美術館展」は、昭和49(1974)年の第1回展より、既存の書展のあり方に一石を投じてきました。
その審査に当たっては、第一線で活躍している芸術家・学識経験者並びに書家およそ10名を委嘱。また、審査員は出品締め切り後に依頼し、かつ当日まで極秘として事前運動を防止しています。
この審査の模様は一般に公開し、厳正かつ公平な審査の正しいあり方を示しているものとして、第1回展以来高い評価を得ております。このような審査が理想であり、他に例を見ません(公開審査は4月下旬から5月上旬に実施)。
これまで数回にわたり改革を行ってきましたが、29回展から「大字、近代詩文書、篆刻、墨象」の新たな部門を設け、出品の門戸を広げました。これにより新たなジャンルの作品を試みることができ、出品者の年齢、地域、国籍が広がり、実力者が発掘されるなど、一層意義ある存在となっています。
〈出品要綱〉抜粋
【出品部門】 | 創作部漢字、創作部仮名、臨書部漢字、臨書部仮名、 写経部、大字部、近代詩文書部、篆刻部、墨象部。 |
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【出品資格】 | 年齢、国籍、職業を問わない。 |
【会 場】 | 日本書道美術館 |
【会 期】 | 7~8月(会期中展示替あり。) |
【作品搬入】 | 2~3月。書き流しとし、新作に限る。表装済作品は不可。 |
【表 彰】 | 日本書道美術館大賞、審査長賞、文部科学大臣賞、日本書道美術館名誉館長賞、日本教育書道連盟会長賞、日本書道美術館館長賞、日本教育新聞社賞、特別賞、特選、準特選、桐花賞、奨励賞、金賞ほか。 ※大賞は副賞として50万円、当館収蔵作品として永久保存となる。 |
【表装・展示】 | 入選以上の作品は、掛軸等に表装の上展示。 |
【審査員】 | 厳正公平を期すため、審査員の事前発表は行わない。 公開審査員は当日の発表となる。 |
※「出品要綱」を差し上げます。お電話またはお葉書にてお申し込みください。
本展では、書の専門家(日本芸術院会員・院賞受賞者、日展審査員
クラス)及び書に深い関心をもたれる芸術家(日本芸術院会員、重要無形文化財保持者−人間国宝− )、美術評論家、学識経験者等約10名による厳正公平な公開審査を行い、流派偏重、技の練度重視にはしることを避けて、個性豊かな品位ある作品の選出に努めております。
従来の展覧会では「出品の多い団体から上位の賞を出す」ということが当然とされてきました。しかし本展では、個人出品と雖も、厳正公平な公開審査によって正しく評価され、上位に入賞することができます。
また、審査の結果、優秀な作品を買い上げ、作家活動を援助するなどの積極的な施策を講じ、以て日本書道の正しい発展に寄与するものであります。
公開審査は、どなたでも自由に参観することができます。出品者全員の参観を奨励します。
※お電話にてお申し込みください。